紀尾井町戦略研究所が目指すものは、「人をつなぎ、正しいルールをデザインする」こと、です。
私たちが暮らしている社会の形を造り上げているものは「ルール」です。ルールというと、法律や政省令、条例などが思い浮かべますが、社会を形作るルールは、社会慣行、慣習、地域やコミュニティのしきたりなども含む幅広いものです。それぞれのルールは、その時代の要請やコミュニティの必要性から産み出されてきたものです。
一方、言うまでもなく社会は変化し続けています。技術進歩、都市化、過疎化、少子化、高齢化など様々な要因によって社会は変化し、私たちの価値観にも影響を及ぼしています。そして、その変化に応じてルールも見直されて行かなければなりません。
ルールを作ってきた時代の要請やコミュニティの必要性といったルールの有用性を基礎付けていたものが変わっていくからです。
例えば、自動運転でクルマを走らせるため、最新のAI技術を取り入れた診断プログラムを使うため、宇宙開発を進めるため、デジタル化社会を実現していくためというように、今の時代の要請を実現していくためには、数多くのルールの創設や改廃が必要だということが分かっていただけるのではないでしょうか。
また、少子化や高齢化を踏まえた住みやすい街づくりのためには、コミュニティに属している人達がこれまで意識してこなかったコミュニティの慣習やしきたりと言ったルールの見直しも、必要となる場合があります。高齢化が進み、人口も減ってしまった町会の運営方法、例えば、回覧板などによって行われてきた情報共有のようなものも、代わりの手段を考えなければならない時代に入っています。少子化が進むのと同時に結婚をしても働き続ける時代は、多様性を認めることができるようにコミュニティのルールが変わっていくことが期待されています。
しかし何もしなければルールは変わっていきません。誰かがルールを変えなければならないのです。
法律は国会が、政省令は行政庁が、条例は地方議会が変えていく権限を持ち、絶えず必要に応じて変えていく努力を重ねていますが、私たちもルールを創る権限を持つ人に、今のルールの課題や新しいルールを創る必要性を伝え、彼らの努力を支えていかなければなりません。地域コミュニティの場合も、ルールを変える必要を感じている人の意見をコミュニティの中で他の人々につないでいくことが、ルールの見直しには必要です。ルールを作る人と課題を知る人をつなぐこと、コミュニティの中で課題を感じている1人ひとりを繋いで行くとこと、そういった役割を担い、同時に、創られていくルールがより良い社会を造るために正しくデザインされて行くように働きかけていくことが、私たち紀尾井町戦略研究所のミッションです。
私たちの住む日本は民主主義の国です。つまり、人々が自分自身の手で政治を行うという基盤に立っている国です。そして政治に参加するということは、選挙で投票さえすれば終わるものではありません。自分たちが選んだ人々が、より良い仕事ができるように、必要な情報を提供したり、意見交換をして双方の考えを深めたりすることも選挙権の行使と並んで重要なことであり、本当の意味での民主主義を実現するためには不可欠な要素だと私たちは考えています。ルールを変えていこうと考える人が一人でも増えていくことを願いつつ、その人たちを繋いでいくことがこの国の未来を創っていくことだと信じ、「人をつなぎ、正しいルールをデザインする」というミッションを掲げます。
「人をつなぎ、正しいルールをデザインする」というミッションを実現して行くために、私たちは優れたコーチでありたいと考えています。それは、ルールを変えていく事ができるのは、課題を知りルールを変えたいと考えている人々自身だからです。私たちの役割は、その人々が目標を達成することができるようにサポートすることです。
ルールを変えることは簡単ではありません。ルールを変えるために必要なプロセスを知らなければなりませんが、それだけでは十分ではありません。そのプロセスのどの時点で、どこに、どのような方法でアプローチしていくことが適切であるかを考えて、実行しなければなりません。誰にアプローチするのかも適切に選択しなければなりませんし、同じ目的に賛同してくれる人々を増やすことも必要です。
そして、最も重要なことはルールが変わるためには時間がかかるということを理解し、長い間、努力を継続し続けることです。
ルールを変えたいと考えている人々が諦めてしまえば、そのルールが変わることはないのです。私たちの責務は、ルールを変えたいと考える人々と並走しながら、ルールを変えるという目標を決して諦めることなく目指し続けることができるよう、また、適切なアプローチを選択し、一緒に同じ目的を目指して進むチームをつくれるように、コーチングして行くことだと考えています。
そのために、私たちはいつでも安心して相談してもらえるプロフェッショナルでありたいと思っています。人々の隣にいて、人々を繋ぎ、人々が自信を持って走りつづけられるように、応援し、共感し、話し合いながら、必要とする支援を時間や場所を問わずに提供するコーチであることが私たちのビジョンです。
私たちをコーチとして受け入れて頂ける方々、そして私たちが目指す正しいルールをデザインして行くというミッションを共有できる方々と歩んで行きたいと考えています。
代表取締役
別所直哉
ルールは守らなければならない。私たちは幼い時からそう教わってきました。しかし、そのルール は自分たちで作るもの、ということを教えてもらった記憶はありますか?
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