TOPICSトピックス

インタビュー:消防車や救急車が落札できる!? KSI官公庁オークションとは【第1回】

インターネットを利用したオークションやフリマのサービスが複数あるなか、ほかではなかなか見かけないユニークな物件が出品されて注目を集める「KSI官公庁オークション」。このサービスを運営する「中の人」に話を聞いてみました。これから連載でインタビュー記事をお届けします。

――オークションで消防車を落札したというSNSの投稿を見かけました。まずは、「KSI官公庁オークション」の概要を教えてください。

中の人:KSI官公庁オークションは、紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI)が運営する、インターネットを活用したオークションサービスです。原則として誰でも入札に参加できます。オークションには、不動産、自動車のほか、さまざまなものが出品されています。サービス名称のとおり、ここに出品されるすべてのものは、官公庁からのものです。出品者は国税庁、都道府県や市区町村などの普通地方公共団体、警察(公安委員会)や消防組合など多くの行政機関のため、参加者は、安心してご利用いただけます。

KSI官公庁オークションには、2つのサービスがあります。消防車や救急車などの官公庁の持ち物が出品されている「公有財産売却」と、差押物件売却のための「インターネット公売」です。それぞれ別の法律や規則にのっとって出品、売却されています。KSI官公庁オークションは一般的なオークションのように、いつでも商品を買えるというものではありません。あらかじめ決められたスケジュールで開催され、参加申込期間や入札期間が定まっています。これらの決まり事もそれぞれの関係する法規に定められているものとなります。

――2つのサービスがあるのですね。まずは消防車が出品される「公有財産売却」について、もう少し詳しく教えてください。

中の人:「公有財産売却」は、各行政機関が所有している財産を「地方自治法」などの法律にのっとって売却する手続きの一部です。行政機関が利用しなくなったもの(財産)や、不要となったもの(財産)を売却します。落札された物件の売払代金は、実施行政機関の歳入(収入)になります。

「公有財産売却」に出品されてよく話題になっているのは、消防車や救急車ですね。消防署で新しい車両に更新するときに不要になった車両が出品されます。大型バスや建設機械なども人気です。これらの働く車のほか、行政機関が所有していた不動産や、公共施設(学校や図書館など)で使用されていた備品なども出品されます。消防車のように通常の中古市場にはあまり出回らないものが多いので、SNSなどでも注目されることがあります。

――もう1つの「インターネット公売」とは、どのようなものですか?

中の人:「インターネット公売」は、税金などが滞納になった場合に各行政機関が差し押さえた財産を「国税徴収法」などの法律にのっとって売却する手続きの一部です。 落札された物件の買受代金は、滞納者の未納税金などの支払いにあてられます。

「インターネット公売」には、不動産や自動車のほかに、バッグや腕時計、ゲームやフィギュア、コレクターアイテムなど、行政機関の所有財産にはないさまざまなものが出品されています。

このように「公有財産売却」「インターネット公売」それぞれにユニークな物件が並んでいます。オークションの開催期間を事前にチェックして、KSI官公庁オークションのサイトをぜひ覗いてみてください。

――いろいろなものが出品されているのですね! 次回は、オークションの参加方法などについてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

プロフィール:KSI官公庁オークションの中の人々

KSI官公庁オークションには、2021年のスタート前から携わる。オークションのシステムが滞りなく運用されるよう、陰から支える。出品側の行政機関やオークション参加者のサポート対応も行っている。

プロフィール(執筆・編集):冨田有香

大学卒業後、大手予備校の教材編集部に在籍。その後、ヤフー株式会社に入社。会社で定められたレギュレーションなどにのっとり、UI/UXを意識しながら、リリース前のサービスやコンテンツの校正・校閲を担当。さらに、スポーツ専門誌やコンテンツ制作会社、株式会社ビズリーチで編集部に在籍し、さまざまなジャンルの編集のほか、インタビューや記事の執筆を行う。2021年7月から紀尾井町戦略研究所株式会社に入社。

関連リンク

KSI官公庁オークション
KSI官公庁オークション ヘルプページ
2025年度(令和7年度)の開催スケジュール
KSI官公庁オークション、2024年度の実績を公開!(2025年3月12日)

トピックス一覧へ