インターネットを利用したオークションやフリマのサービスが複数あるなか、ほかではなかなか見かけないユニークな物件が出品されて注目を集める「KSI官公庁オークション」。このサービスを運営する「中の人」に話を聞いてみました。第2回のインタビュー記事をお届けします。
第1回の記事はこちら。
―― 今回は参加方法についてお聞きしたいと思いますが、それにしても「KSI官公庁オークション」には、ほんとうにバラエティーに富んだ物件が出品されていますね。
中の人:時代の変化もあり、回を重ねるごとに、出品される物件の内容も変わってきました。以前は少なかったゲームやマンガ、フィギュアなどが、最近では多く出品されるようになりました。これらが出品されると、ネットニュースなどでも取り上げていただくなど大人気です。
―― そうなんですね。人気の物件は、ほかにもありますか?
中の人:自動車は常に人気ですね。KSI官公庁オークションには自動車が多数出品されています。消防車や救急車、高級車などのほかにも、日本の自動車は品質が良く、特に公有財産売却で出品される公用車は丁寧にメンテナンスされているので、国内のみならず輸出用の車両としても注目されているようです。
―― 国産ウイスキーなどのお酒やお米など、最近、高騰しているようなものがKSI官公庁オークションにも出品されていますね。
中の人:そうなんです。私はお酒には詳しくないのですが、希少なウイスキーがインターネット公売で出品されることもあり、高値で落札されて驚くことがあります。また現在、コメ価格が高騰していることもあり、「お米も出品されている」とSNSで取り上げられることもあります。
時代を反映するものとしては、ほかにも、新型コロナウイルスワクチンの移送用バッグや保管用フリーザーの出品もありました。
―― なるほど。ほかにも、KSI官公庁オークションならでは、というものはありますか?
中の人:文化施設で使用されていたグランドピアノや、学校施設などで使われていた机やイス、顕微鏡や人体模型などの備品が出品されることもあります。
それから、役所の庁舎内で使用していた備品は、よく出品されています。なかには市長室で使われていた机や応接セットなどもありました。また、役所が備蓄用として保管していたフリーズドライスープや、さば煮缶などの食品や毛布などが何千箱、何百箱という単位で出品されたこともありました。消費期限が近付いた備蓄用品の更新のために出品されたようです。
ちなみに、過去のランキングや出品についてまとめた記事もあるので、見てみてください。
―― ランキングは興味深いですね。ところで、出品されているなかに欲しいものを見つけたら、何をしたらいいですか?
中の人:まずは、ご自身のメールアドレスでKSI官公庁オークションの会員登録をしてください。次に、会員登録したIDでKSI官公庁オークションのサイトにログインします。
ログイン後に、欲しい物件の詳細ページをあらためて表示させて、情報や詳細説明などをよく読んでから、参加申込期間中に参加申し込みの手続きをします。参加申し込みの最初の画面で、出品行政機関の「ガイドライン」が表示されるので、その内容を必ず確認してください。
――「ガイドライン」にはどのようなことが書かれていますか?
中の人:「ガイドライン」には、参加の条件や方法、守っていただくこと、注意事項などが詳しく書かれています。「入札の心得」というべきものです。そのなかでも重要な「参加資格」「保証金」「必要書類」という3点をご紹介しましょう。
KSI官公庁オークションは、原則として誰でも参加できます。ただし、ガイドラインの「参加資格」に記載されている条件に該当する場合は参加できません。例えば、未成年(18歳未満)は参加できません。また、物件によっては特別な参加資格がある場合もあります。
次に、「保証金」です。多くの物件は、参加申し込みの際に「保証金」を納めることが必要です。ガイドラインには、出品行政機関が設定した納付期間や、納付方法(クレジットカードや銀行振込など)が記載されています。
また、物件によっては、「必要書類」の提出が求められます。こちらも「ガイドライン」や物件詳細ページ、行政機関のホームページなどに記載されていますので、必ず確認し、期日までに提出してください。「必要書類」を提出しないと、入札に参加できなくなってしまいます。
このほか、「ガイドライン」には、引渡し方法等の落札後の手続きなども書かれていますので、よく確認しておきましょう。引渡し方法として配送の選択肢の記載がなく、現地での受け渡しのみということを把握していなかったために、せっかく落札できた物件の権利を泣く泣く放棄したという落札者もいるようです。
―― それは残念すぎます! 「ガイドライン」には重要なことが書かれていることがよくわかりました。
中の人:参加申し込みの手続きで「ガイドライン」を確認した後は、画面の説明に従って、申込情報などの入力を進めて、手続きを完了させてください。物件ごとに参加申し込みの手続きが必要です。そして、入札期間になったら、「入札」に参加します。
具体的な流れや方法は、行政機関の「ガイドライン」やKSI官公庁オークションのヘルプページに記載があるので、進め方がわからない場合は確認してください。
また、前回のインタビューでも少しお話しましたが、KSI官公庁オークションのスケジュールはあらかじめ決まっています。物件によって「参加申込期間」「入札期間」が異なるので、物件の詳細ページや年間スケジュールなどで日程もチェックしてくださいね。
―― 欲しい物件を手に入れるためには、しっかり確認することが大切ですね。ありがとうございました!
・消防車や救急車が落札できる!? KSI官公庁オークションとは【第1回】(2025年9月22日)
・KSI官公庁オークション
・KSI官公庁オークション ヘルプページ
・2025年度(令和7年度)の開催スケジュール
KSI官公庁オークションには、2021年のスタート前から携わる。オークションのシステムが滞りなく運用されるよう、陰から支える。出品側の行政機関やオークション参加者のサポート対応も行っている。
大学卒業後、大手予備校の教材編集部に在籍。その後、ヤフー株式会社に入社。会社で定められたレギュレーションなどにのっとり、UI/UXを意識しながら、リリース前のサービスやコンテンツの校正・校閲を担当。さらに、スポーツ専門誌やコンテンツ制作会社、株式会社ビズリーチで編集部に在籍し、さまざまなジャンルの編集のほか、インタビューや記事の執筆を行う。2021年7月から紀尾井町戦略研究所株式会社に入社。
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