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「部活指導は教員以外で」賛成7割強

文部科学省の2016年度「教員勤務実態調査」によると、公立小学校で3割、中学校で6割の教員が、月80時間の過労死ラインを超える残業をしていました。2022年度の調査も8月から始まり来年度中に結果は公表される予定です。今回は「ブラックな職場」との指摘も出ている教員の働き方、教育の質に関する意識調査を行いました。

「部活指導は教員以外で」賛成7割強
- 低学年から中学受験勉強「必要ない」38%「仕方ない」33% -

[KSI Web調査] 教員の働き方や教育の質に関する意識調査
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調査結果サマリ

長時間労働が指摘される教員の働き方に関し、部活指導を教員以外に全面的に任せることに76%が賛成しました。勤務管理のためのタイムカード導入に78%が、公立校教員に時間外手当の代わりに給与の4%分を支払うとした特措法改廃に57%が、それぞれ賛成。一方で授業時間削減は53%が反対し、学習内容を増やす「脱ゆとり教育」を66%が肯定。英語教育の一層の低年齢化は58%が賛成でした。教科書はデジタル端末と紙の併用派が最多で、低学年からの中学受験勉強は不必要との意見がトップでした。岸田内閣不支持が8月9日の前回調査より9ポイント増え57%に達しました。

  • 教員の働き方改革のために「部活指導員」など教員でない人がほぼ全面的に部活動の指導をすることに「賛成」が76.7%で、「反対」7.8%を大きく上回った。(Q6)
  • 教員のテスト採点の補助などを行う補助職員の配置推進に「賛成」が82.2%で、「反対」7.7%を大きく上回った。(Q7)
  • 学校現場で非正規労働者の教員が増えることが「好ましくない」は44.6%で、「特に問題ない」37.7%を上回った。「好ましくない」とした人を年代別に見ると、30代以下はどの年代も3割台以下だったのに対し、40代以上はいずれも4割台以上だった。(Q8、調査結果詳細を含む)
  • 公立学校教員の時間外勤務手当を支払わず「教職調整額」を一律支給するとした「教職員給与特別措置法」の廃止や改正に「賛成」が57.0%で、「反対」18.5%を大きく上回った。(Q9)
  • 教員の出退勤をタイムカードなどで正確に記録することに「賛成」が78.9%で、「反対」6.8%を大きく上回った。(Q10)
  • 教員の長時間労働解消のために授業時間を減らすことに「反対」が53.2%に上り、「賛成」は24.0%だった。賛成の人を年代別に見ると、10、20代は4割台、30~50代は2割台、60代以上はいずれも1割台だった。(Q11、調査結果詳細を含む)
  • 児童や生徒の不登校や問題行動への取り組みについては「児童や生徒が安心して過ごせるよう、行政機関がフリースクールなど学校以外の第三の場所を確保する」が46.3%で最多だった。(Q15)
  • 小中で2024年度からデジタル教科書が英語で先行導入され、紙の教科書も併用することになることに関連し、教科書ではデジタルと紙を「当面併用すべきだ」が36.5%で最多。「まずは英語で様子を見て、効果があれば他の教科もデジタル導入を」25.1%が続いた。(Q17)
  • 小学校の英語教育開始を現行の3年生より引き下げることに「賛成」が58.3%を占めた。(Q18)
  • 小学校低学年から中学受験の勉強をすることに「子どもに負担が掛かるので必要ない」が38.7%で最多。「好ましくはないが、仕方ないと思う」33.5%が続いた。(Q19)
  • 岸田内閣支持率は21.0%(前回8月9日25.1%)、不支持率は急増して57.4%(48.0%)となった。(Q20)

その他のサマリ

  • 公立学校の教員の定年が現在の60歳から65歳に引き上られることが教員不足解消に「つながると思う」「ある程度つながると思う」が計62.2%に上った。(Q12)
  • 教員免許の有効期間を10年とした更新制度を廃止したことは「悪かったと思う」は38.0%で、「良かったと思う」29.5%を上回った。(Q13)
  • 詰め込み型の学習を避けるとした「ゆとり教育」を転換し、学習内容を増やす「脱ゆとり教育」を「いいと思う」とした人は66.6%で、「悪いと思う」11.3%を大きく上回った。「いいと思う」とした人を年代別に見ると、10、20代は4割台、30代は5割台、40代以上はいずれも6割台か7割台だった。(Q14、調査結果詳細を含む)
  • 政府が児童や生徒にタブレット端末を1人1台配備する「GIGAスクール構想」について「推進すべきだ」が40.6%で最多。次いで「タブレット使用は限定的とし紙と鉛筆による学習を主軸とすべきだ」38.7%となった。(Q16)
  • 小学校における英語学習開始を現行の3年生より引き下げることに「賛成」とした人を支持政党別に見ると、NHK党・参政党が7割台、自由民主党・立憲民主党・日本維新の会・公明党が6割台、その他の政党と「支持する政党はない」とする無党派層はいずれも5割台だった。(Q18の調査結果詳細)
  • 政党支持率は自由民主党20.2%(前回8月9日20.6%)、立憲民主党4.9%(4.1%)、日本維新の会10.0%(9.0%)、公明党1.5%(1.3%)、国民民主党2.6%(3.0%)、日本共産党2.3%(2.2%)、れいわ新選組2.8%(2.8%)、社民党0.2%(0.4%)、NHK党2.1%(1.8%)、参政党0.8%(0.9%)、その他の政党・政治団体0.4%(0.3%)、支持する政党はない48.1%(49.4%)、わからない4.1%(4.2%)だった。(Q21)

※今回の調査結果には、性別や年齢別、年収、内閣支持度別、支持政党別などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)をご覧ください。

KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を1000人に行っています。
教員の働き方や教育の質について、18歳以上の男女1,000人に聞きました
(2022年9月2日現在「Yahoo!クラウドソーシング」調べ)
※本資料やデータの使用、掲載についてはページ下部をご覧ください


調査結果グラフ(全体)

  Q1からQ5: 回答者の属性--性別、年齢、地域、職業、年収

Q6 文部科学省の2016年度「教員勤務実態調査」によると、公立小学校で3割、中学校で6割の教員が、月80時間の過労死ラインを超える残業をしていました。働き方改革のため、教員の代わりにスポーツなどを教える「部活動指導員」の導入が進みつつあります。教員以外の人によるほぼ全面的な部活動指導に、あなたは賛成ですか、反対ですか。

Q7 教員の仕事を減らすため、テストの採点補助、新型コロナ対策の消毒作業などを行う「スクール・サポート・スタッフ」の導入が進みつつあります。あなたは、こうした教員でない補助職員の配置推進に賛成ですか、反対ですか。

Q8 学校現場で非正規教員の割合が増加傾向にあるとされ、特に私立で顕著だとの調査結果もあります。あなたは、非正規の教員が増えることについて、どう考えますか。

 

Q9 公立学校教員を対象とする「教職員給与特別措置法(給特法)」は、時間外勤務手当を支払わず、代わりに月給の4%相当の「教職調整額」を一律支給すると定めています。そのため、授業準備や生活指導、部活動などに熱心な教員は、実質的に無償で多くの時間を働く結果となっています。あなたは、同法の廃止や改正に賛成ですか、反対ですか。

 

Q10 教員の勤務状況を正確に把握し負担軽減につなげるため、出退勤を記録するタイムカード(もしくはそれに近しいシステム)を導入することに、あなたは賛成ですか、反対ですか。

 

Q11 教員の長時間労働解消のため児童や生徒の授業時間を減らすことに、あなたは賛成ですか、反対ですか。

 

Q12 地方公務員法が改正され、地方公務員の定年は2031年度にかけて段階的に、現在の60歳から65歳に延長されます。公立学校の教員の定年が65歳に引き上げられることは教員不足の解消につながると、あなたは思いますか。

 

Q13 教員の負担軽減などを目的に、教員免許に10年の有効期限を設ける教員免許更新制が廃止され、今年7月1日以降に期限を迎えた教員は講習受講などが不要になりました。あなたは、同更新制廃止をどう思いますか。

 

Q14 政府は過去に学校での詰め込み型の学習を避ける「ゆとり教育」を進めましたが、学力低下を招いたとの批判を受け、学習内容を増やす「脱ゆとり」に転換しました。あなたは「脱ゆとり教育」について、どう思いますか。

 

Q15 児童や生徒の不登校、問題行動といった家庭が関係する事案への取り組みについて、あなたはどういう方法が一番適切だと思いますか。

 

Q16 政府は児童、生徒に1人1台のタブレット端末を配備する「GIGAスクール構想」を進めています。あなたは、この構想についてどう考えますか。

 

Q17 タブレット端末などで学ぶデジタル教科書が、2024年度から全国の小中学校の英語で先行的に導入されます。デジタルの教科書と紙の教科書を併用することになりますが、あなたはどう思いますか。

 

 

Q18 小学校の英語教育は外国語活動として3年生から始まっていますが、海外ではその年齢より前に英語学習を開始する国や地域もあります。あなたは、日本でも英語教育を開始する学年をさらに引き下げることに賛成ですか、反対ですか。

 

Q19 中学受験者が増え、小学校1年生から塾に通い始める児童が増えるなど、入塾の低年齢化が進んでいるとの指摘もあります。小学校低学年から中学受験の勉強を開始することを、あなたはどう思いますか。

 

Q20 あなたは岸田内閣を支持しますか。(%)

Q21 あなたの支持政党を教えてください。(%)



クロス集計を含む調査結果の詳細(PDFファイル)はこちら

調査期間   2022年9月2日
調査対象や人数   全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法   インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用し、
属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。

本リリースに関するお問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp  Tel: 050 3707 4661

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[KSI Web調査]教員の働き方や教育の質にについて(紀尾井町戦略研究所)
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