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「物価高で生活に打撃」91%で昨年5月比16ポイント増

総務省が発表した、家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる2023年1月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食料品を除く総合で前年同月より4.2%上昇し、1981年9月以来41年4か月ぶりの高い水準でした。円安や資源高の影響で、食料品やエネルギーなど生活に必要な品目が値上がりしています。今回の調査は3月1日にYahoo!クラウドソーシングで実施しました。18歳以上の全国の男女1,000人からの回答を集計しています。

「物価高で生活に打撃」91%で昨年5月比16ポイント増
防衛策は光熱費削減がトップ、物価高上回る賃上げ期待できず76%

[KSI Web調査] 物価高に関する意識調査
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調査結果サマリ

食料品や電気代などの値上がりで「大きな」「ある程度の」打撃を受けている人は計91%で、昨年5月調査より16ポイント増となった。物価高を実感する場面は食料品購入時がトップ。自身が行っている物価高対策は光熱費削減が最多で、食費削減が続いた。電気料金値上がりを「かなり」「ある程度の」負担増とした人は計91%で、昨年7月調査より2ポイント増。ガス代値上がりを同様に負担増とした人は79%だった。 原発再稼働を進めるべきとした人は53%で昨年7月調査より2ポイント増えた。

物価上昇分を上回る賃上げは「あまり」「まったく」期待できない人が76%。政府や地方自治体の物価高対策給付について、所得制限すべきが55%を占めた。130万円など一定年収を超えると配偶者の扶養を外れて社会保険料負担増により手取りが減る「年収の壁」について「壁をなくすべきだ」38%が最多で、次いで「壁を引き上げるべきだ」31%となった。日銀総裁として提示された植田和男氏に「期待しない」「あまり期待しない」が計48%、「期待する」「ある程度期待する」は計34%。岸田内閣支持21%(前回1月27日18%)、不支持63%(67%)となった。

  • 物の値段の値上がりで「大きな打撃を受けている」「ある程度の打撃を受けている」は計91.2%に上った。昨年5月の調査計74.9%から16.3ポイント増。「大きな打撃を受けている」人を職業別に見ると、医療・福祉関係の職員等と教職員が4割台で最多層、次いで契約社員・パートやアルバイト等、年金生活・無職、専業主婦・主夫がいずれも3割台だった。年収別で見ると、収入がない人が5割台と最多で、次いで500万円未満の各層が3割から4割台となった。(Q6)
  • 物価上昇を感じた具体的場面を複数回答で聞くと、食料品購入(92.7%)が最多で、光熱費(77.3%)、日用品購入(58.9%)と続いた。(Q7)
  • 物価高対策として自身が実施していることを複数回答で聞くと、光熱費削減(53.7%)が1位で、食費削減(47.8%)、安売り店で買う(44.9%)と続いた。(Q8)
  • 電気料金の値上がりが「かなりの負担増だ」「ある程度の負担増だ」とした人は計91.6%(昨年7月調査89.0%)に達した。「かなりの負担だ」とした人を職業別に見ると、医療・福祉関係の職員等と契約社員・パート・アルバイト等、年金生活・無職が最多層となり5割台だった。年収別に見ると、収入がない人が6割台で最多、次いで100万円以上300万円未満が5割台だった。(Q9)
  • ガス料金の値上がりが「かなりの負担増だ」「ある程度の負担増だ」とした人は計79.5%に達した。(Q10)
  • 電気ガスなどエネルギー価格高騰を受けて行っている対策を複数回答で聞くと、暖房器具の設定温度を下げたり使う時間を減らす(64.6%)がトップで、照明をこまめに消したり画面の明るさを調整する(46.6%)、厚着や運動などをして身体を暖める(43.6%)と続いた。(Q11)
  • 政府が今年1月から9か月間行う電気料金水準の値下げ策について「負担軽減になる」「ある程度負担軽減になる」は計40.0%、「負担軽減にならない」「あまり負担軽減にならない」は計50.3%だった。(Q12)
  • 日本での原発再稼働について「進めるべきだと思う」が53.0%(昨年7月調査51.3%)を占めた。男女別で見ると、男性6割台、女性3割台だった。年収別では800万円以上の各層で6割を超し、最多レベルだった。(Q13)
  • 電気料金の高騰を受けた料金プランについて「確認して見直した」は10.9%にとどまり、「確認したが見直していない」44.0%、「確認も見直しもしていない」36.9%だった。(Q14)
  • ガソリン価格抑制策として、政府による石油元売りへの補助金支給が延長、拡大されていることについて「十分に効果があると思う」「ある程度の効果があると思う」は計47.0%、「効果はないと思う」「あまり効果はないと思う」は計39.9%だった。(Q15)
  • 物価上昇分を上回る賃上げについて「あまり期待できない」「まったく期待できない」が計76.1%に上った。(Q16)
  • パートなどが130万円など一定年収を超えると配偶者の扶養を外れて社会保険料負担増により手取りが減る「年収の壁」について「壁をなくすべきだ」38.9%が最多で、次いで「壁を引き上げるべきだ」31.3%となった。(Q17)
  • 地方自治体が物価高対策として米といった食料品や燃料などを現物(クーポンなど含む)支給していることに関し「それなりの効果が期待できる」「ある程度効果が期待できる」が計49.6%、「あまり効果が期待できない」「ほとんど効果が期待できない」が計42.3%だった。(Q18)
  • 政府や地方自治体の物価高対策による各種給付や負担軽減策に関し、所得制限の有無をめぐり「所得制限を設けて低所得の人に重点的に行うべきだと思う」が55.7%を占めた。年収別に見ると、収入はないから500万円未満の各層でいずれも6割を超え、それ以外は5割台以下だった。(Q19)
  • 政府の今後の物価高対策に関し、予備費活用と補正予算編成について「ともに必要だと思う」38.9%がトップで、「もう少し状況を見ないと判断できない」23.0%が続いた。(Q20)
  • 「物価の番人」とも呼ばれる日銀の次期総裁として国会に提示された植田和男氏に「期待しない」「あまり期待しない」が計48.1%に達し、「期待する」「ある程度期待する」は計34.8%だった。(Q21)
  • 昨年のロシアによるウクライナ侵攻などに端を発する円安の輸出企業の採算向上などのメリットと物価高騰のデメリットについて「デメリットの方が大きい」が58.3%を占めた。(Q22)
  • 岸田内閣を「支持する」21.6%(前回1月27日18.3%)、「支持しない」63.2%(67.2%)だった。「支持する」とした人を支持政党別に見ると、与党では自民党で5割台、公明党で2割台だった。(Q23)
  • 政党支持率は自由民主党19.8%(前回1月27日19.5%)、立憲民主党3.4%(4.7%)、日本維新の会9.8%(10.4%)、公明1.2%(0.8%)、国民民主党4.6%(3.7%)、日本共産党2.2%(1.7%)、れいわ新撰組1.3%(2.3%)、社民党0.7%(0.3%)、NHK党0.9%(1.7%)、参政党0.6%(0.8%)、その他の政党・政治団体0.2%(0.2%)、支持する政党はない52.4%(49.5%)(Q24)

 

※今回の調査結果には、性別や年齢別、職業別、年収別、支持政党別などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)もご覧ください。

KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。
調査方法、資料やデータの使用、取材や掲載、放映などのお問い合わせは、本ページの最後をご覧ください。

 

調査結果のグラフ一覧

Q1からQ5: 18歳以上の回答者1,000人の属性 --- 性別、年齢、地域、職業、年収

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Q6 日用品や食料品などの値上がりによって、あなたの生活への打撃はどのくらいありますか。
 
 
Q7 あなたは具体的にどのような場面で物価の上昇を感じましたか。(複数回答可)
 
 
Q8 あなたが物価高騰への対策として実施していることはありますか。(複数回答可)
 
 
Q9 現在の電気料金の値上がりは、あなたの家計にとってどの程度負担がありますか。
 
 
Q10 現在のガス料金の値上がりは、あなたの家計にとってどの程度負担がありますか。
 
 
Q11 電気やガスなどのエネルギー価格の高騰を受けて、あなたが家庭で行っている対策はありますか。(複数回答可)
 
 
Q12 政府は今年1月使用分から9か月間、電気料金の水準を2割程度下げる負担軽減策を実施しています。一方で多くの大手電力会社が、今春以降に3割から4割程度の料金値上げを申請しています。あなたは、この負担軽減策をどう思いますか。
 
 
Q13 あなたは、電力を賄うために日本で原子力発電所の再稼働を進めるべきだと思いますか。
 
 
Q14 電気料金には、値上げに国の認可が必要な「規制料金」と各電力会社が独自に決められる「自由料金」があります。あなたは、電気料金の高騰を受けて料金プランの確認や見直しをしましたか。
 
 
Q15 ガソリン価格の抑制策として石油元売りへの補助金支給を政府が開始してから1年が過ぎました。支給は今年9月末まで延長され、額も拡大しています。これについてどう評価しますか。
 
 
Q16 岸田首相は春闘などを念頭に「物価高を超える賃上げ」と述べ、物価上昇分を上回る賃上げを産業界に求めています。大企業に限らず中小企業にも賃上げの動きがあります。あなたは、この動きをどう考えますか。
 
 
Q17 パートなどの労働者が一定の年収(130万円など)を超えると配偶者の扶養を外れ、税や社会保険料の負担が増して手取り収入が減る「年収の壁」があります。女性の就労を抑制し人手不足の要因とされ、世帯収入を増やすため見直す動きもありますが、あなたはどう思いますか。
 
 
Q18 東京都や大阪府など地方自治体が物価高対策として、米や生鮮食料品、灯油などの現物支給や、それらを買うことができるクーポン支給を行うことを決めています。あなたは、地方自治体によるこれらの動きについて、どう考えますか。
 
Q19 政府や地方自治体による物価高対策のための現金や現物などの支給や各種負担軽減について、所得制限を設けて低所得の人に重点的に行うべきだと思いますか、それとも所得制限を設けずに高所得の人を含め幅広く行うべきだと思いますか。
 
 
Q20 政府は物価高対策や防衛費増額などを盛り込んだ、2023年度当初予算案の一般会計歳出総額を過去最大の114兆円としました。国会で審議されており3月末にも成立の見通しです。物価高対策のため、当初予算案に計上している5兆円の予備費を活用して経済対策を行ったり、23年度補正予算案を編成して成立させる必要があると、あなたは思いますか。
 
 
Q21 政府は、元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏を次期日銀総裁に起用する案を国会に提示しました。日銀は金融政策などを通じて「物価の番人」とも呼ばれますが、あなたは植田氏に期待しますか。
 

 
Q22 昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻などに端を発する円安はエネルギー価格など物価の高騰を誘発する一方、電機などの製造業は輸出品の採算が向上したり海外事業の業績が上振れしたりするなどプラス影響が出ています。あなたは今回の円安について、どのように考えますか。
 
 
Q23 あなたは岸田内閣を支持しますか。
 
 
Q24 あなたの支持政党を教えてください。
 
 


クロス集計を含む調査結果の詳細(PDFファイル)はこちら。

調査期間: 2023年3月1日
調査対象や人数: 全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法: インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用しています。
属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。

お問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp  Tel: 03 6824 1715

資料やデータの使用、掲載について
リンクフリーです。必ず下記の出典を明記してください。
[KSI Web調査] 「物価高で生活に打撃」91%で昨年5月比16ポイント増(紀尾井町戦略研究所)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-48.html

 

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