2025/10/23調査報告
10月21日、自民党の高市早苗総裁が内閣総理大臣に任命され、高市内閣が発足しました。日本で初めてとなる女性首相の誕生をどのように受け止めているか、また高市内閣への期待度などを把握するため、10月23日に全国の18歳以上の1,000人を対象にオンライン調査を実施しました。
高市内閣で期待の閣僚トップ3は小野田経済安保相、片山財務相、小泉防衛相
- 高市内閣支持率51%、高市内閣に期待できる59%、衆院定数減らすべき60% -
自民党の高市早苗総裁が10月21日、日本で初めて女性として首相に就任したことについて、自身の考えに最も近いものを一つ選んでもらうと「資質や政権運営能力が重要で、性別は意識していない」が32.6%で最多となり、「一定の期待はあるが、成果を見て判断したい」25.8%、「歴史的意義があり、日本社会の多様化が進む良い機会だ」23.5%、「特に意見はない」9.6%、「歓迎するが、象徴的出来事にとどまることを懸念する」5.0%と続いた。「その他」1.2%、「わからない」は2.3%。
女性首相誕生の影響「国際イメージ向上」3割
日本初の女性首相の誕生が、日本の政治や社会に与える影響について複数回答で聞くと、「日本の国際的イメージが向上すると思う」が35.4%でトップとなり、以下は「政治の意思決定スタイルが変わる可能性があると思う」29.8%、「特に影響はないと思う」29.6%、「女性の政治参画意識が高まると思う」28.4%、「その他」2.7%となった。「わからない」は5.0%。
高市内閣に「期待できる」59%
高市内閣に期待できるかどうかを聞くと、「期待できる」「どちらかといえば期待できる」が計59.6%を占め、「期待できない」「どちらかといえば期待できない」は計26.1%。「わからない」が14.3%あった。
期待できる閣僚首位は小野田経済安保相
高市内閣で期待できると思う閣僚を複数回答で選んでもらうと、上位は小野田紀美経済安保担当相27.8%、片山さつき財務相26.6%、小泉進次郎防衛相15.7%の順だった。「期待できる閣僚はいない」が21.6%、「わからない」は16.2%。
反対に、期待できないと思う閣僚を複数回答で選んでもらうと、上位は小泉防衛相32.3%、片山財務相17.3%、茂木敏充外相14.7%の順となった。「全閣僚に期待できる」4.9%、「わからない」は35.8%。
また、「期待できる」と「期待できない」の差(ネットスコア)をとると、上位は小野田経済安保担当相+16.9ポイント、片山財務相+9.3ポイント、赤沢亮正経済産業相+1.8ポイントの順となった。また、下位は小泉防衛相-16.6ポイント、石原宏高環境相-11.2ポイント、鈴木憲和農林水産相-8.9ポイントとなった。
高市内閣の閣僚18人のうち女性が2人となった点について、自身の考えに最も近いものを一つ選んでもらうと、「性別に関係なく、能力や実績を重視した人選なら問題ない」が50.7%で最も多く、以下は「女性閣僚の人数よりも、政策の中身や成果のほうが重要だ」18.7%、「そもそも女性政治家が少ない現状を改善する必要がある」10.1%、「社会の多様性を反映する観点から、もっと女性が増えてよい」8.9%と続いた。「特に意見はない」7.1%、「その他」0.6%、「わからない」3.9%。
現金給付行わないのは「妥当」47%「妥当でない」35%
10月20日、自民党と日本維新の会は新たに連立政権を樹立することで合意し、12項目から成る連立政権合意書に署名した。その中で、自民が7月の参院選で公約として掲げた、国民一人当たり2万円(子どもや住民税非課税世帯には4万円)の現金給付を行わないとしたことを「妥当だと思う」が47.3%で、「妥当だとは思わない」の35.6%を上回った。「わからない」は17.1%。
企業献金の結論時期「今国会中に」39%
自民・維新の連立政権合意書は、企業・団体献金の取り扱いについて、両党で協議体を設置し、高市自民党総裁の任期中(2027年9月まで)に結論を得るとしている。与野党は当初、25年3月末までに結論を得ると申し合わせていた経緯があるが、27年9月までとする日程について、自身の考えに最も近いものを選んでもらうと、「今国会中に結論を得るべきだ」が39.7%で最も多く、「26年中に結論を得るべきだ」27.0%、「27年9月までに結論を得ればよい」10.5%、「27年9月以降に結論を得ても構わない」3.8%、「そもそも見直す必要はない」3.2 %と続いた。「わからない」は15.8%。
衆院定数減らすべき6割
自民・維新の連立政権合意書は、衆議院議員の定数(465)について一割削減を目標に、現在開会中の臨時国会に議員立法で法案を提出し、成立を目指すとした。衆院議員の定数について、どうすべきだと思うか聞くと、「減らすべきだと思う」が60.0%に上り、「現状維持でよいと思う」21.3%、「増やすべきだと思う」5.3%となった。「わからない」は13.4%。

高市内閣支持率51%
高市内閣を「支持する」51.6%(石破内閣時の前回25年10月16日調査22.8%)、「支持しない」22.9%(62.7%)だった。石破内閣発足直後の24年10月1・2日に行った調査では、「支持する」24.6%、「支持しない」34.2%で、高市内閣の支持率は石破内閣発足時を大きく上回った。
政党支持率は自民党18.6%(石破内閣時の前回25年10月16日調査18.1%)、立憲民主党5.3%(4.9%)、国民民主党4.8%(6.4%)、日本維新の会4.6%(4.4%)、れいわ新選組3.2%(3.0%)、参政党3.0%(4.3%)、日本保守党1.7%(1.8%)、共産党1.5%(1.7%)、公明党1.2%(1.6%)、チームみらい1.0%(0.7%)、社民党0.5%(0.5%)、その他の政党・政治団体0.8%(0.9%)、支持する政党はない51.0%(48.8%)。
回答者1,000人の属性、各設問のグラフや解説などは、2ページ目以降に掲載しています。
クロス集計が入った調査結果資料はこちらのPDFファイルからご覧ください。KSIオンライン調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都港区、代表取締役:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたオンライン調査を、全国の18歳以上の1,000人に行っています。
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