今年6月にまとめた「わが国におけるアクティブサイバーディフェンスに関する法制度研究会」報告書を公開します。
わが国においては能動的サイバー防御の技術はありながらも、法制度の問題でこれを十分に実施できていません。しかし、実際にすでに病院、港湾、公共交通機関へのサイバー攻撃は確認されており、私たちの生命・身体・ライフラインに直接の危害が生じる危機はもういつ起きてもおかしくない状況にあり、これを守るためには、わが国においても早急に能動的サイバー防御を導入することが肝要だと考えています。
一方、肝心の法整備は、いわゆる防衛三文書に「能動的サイバー防御」についての記載はなされたものの、あまり進展しているようには思われません。そこで、議論が行われていくことを民間側からも後押しし、能動的サイバー防御を実施するためのフレームワークを構築するにあたりこれを阻む法制度を研究する目的で、2022年1月に当該分野の専門家である研究者を構成員とする「わが国におけるアクティブサイバーディフェンスに関する法制度研究会」を立ち上げ、全5回の研究会での議論を経て、報告書をとりまとめるに至ったものです。
報告書は2部構成となっており第一部は紀尾井町戦略研究所が論点提示のために作成した提言となっており、第二部は研究者の方々に執筆いただいたものとなっています。なお、第一部については構成員の方々にもさまざまな意見があり統一見解ではありませんので、あくまで論点を把握するという観点でお読みください。
本報告書が議論の契機となることを期待しています。
・能動的サイバー防御で「早急な法改正を」64%(2023年12月27日)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2023/web-research-62.html
© 紀尾井町戦略研究所株式会社