政府は防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、日本で製造される「ライセンス生産品」について特許を持つ国への輸出を全面的に解禁しました。サイバー攻撃を発生前に防ぐために相手側のサーバに先に侵入して無害化しようとする「能動的サイバー防御(アクティブサイバーディフェンス)」の導入に向けた体制整備を2022年の「国家安全保障戦略」に明記した一方で、関連法案は2024年の通常国会に提出される見込みはありません。今回は日本の防衛力強化と国防意識に関する第2回のオンライン調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に実施しました。 (※初回調査は2022年11月に行いました)
能動的サイバー防御で「早急な法改正を」64%
- プライバシー抵触を一定許容67%、ライセンス生産の防衛装備輸出拡大に賛成47% -
[KSI Web調査] 日本の防衛力強化と国防に関する意識調査(第2回)
調査結果サマリ | 調査結果のグラフ一覧 | クロス集計を含む調査結果の詳細
日本が国際紛争に巻き込まれる危険について、どちらかというとを含めて「ある」と思う人が75%に達した。台湾有事は、どちらかというとを含め「起きる」と思う人が69%に上った。
サイバー攻撃を発生前に防ぐために相手側のサーバに先に侵入して無害化しようとする「能動的サイバー防御」に関し、2024年の通常国会に関連法案提出がない見込みであることについて、早急な法改正を望む人が64%を占めた。能動的サイバー防御による情報収集でプライバシー保護に抵触しても一定範囲なら容認できる人が67%に上った。侵入する相手国との軍事的衝突の可能性の有無に関わらず能動的サイバー防御を進めるべきだとする人が40%、軍事的衝突になるほど強化しなくても良いとした人は38%。
日本政府の防衛費倍増方針について、それぞれどちらかというとを含め賛成47%、反対41%だった。防衛における法的整備の現状を見て、日本政府が本気で国民を守るつもりがないと感じる人がどちらかというとを含めて57%を占めた。
外国企業に特許料を支払って日本で製造する「ライセンス生産」の防衛装備品の輸出先に関し、戦闘地域を除くライセンス元や第三国に拡大することに、それぞれどちらかというとを含め賛成47%、反対29%。AIなど民間の先端技術の防衛装備品への転用推進に、どちらかというとを含め賛成が57%を占めた。秘密漏えいに罰則を設けた上で国内の防衛産業育成を図る生産基盤強化法などの政府による防衛産業支援の政府の取り組みを「支持する」「どちらかというと支持する」が計61%に上った。
日本の防衛力強化のために必要なことを複数回答で聞くと「国際平和の維持や日本の安全のための外交努力」50%が首位で「国際交渉力の背景となる経済力、産業力の強化」48%が2位となり、6位までが5ポイント以内の僅差で並んだ。
※今回の調査結果には、性別や年齢別、職業別、年収別、支持政党別などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)もご覧ください。
KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。
調査方法、資料やデータの使用、取材や掲載、放映などのお問い合わせは、本ページの最後をご覧ください。
Q1からQ5: 18歳以上の回答者1,000人の属性 --- 性別、年齢、地域、職業、年収
調査期間: 2023年12月22日
調査対象や人数: 全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法: インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用しています。
属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。お問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp Tel: 03 6824 1715資料やデータの使用、掲載について
リンクフリーです。必ず下記の出典を明記してください。
[KSI Web調査] 能動的サイバー防御で「早急な法改正を」64%(紀尾井町戦略研究所)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2023/web-research-62.html
・「わが国におけるアクティブサイバーディフェンスに関する法制度研究会」報告書
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2023/active_cyber_defense_report.html
・日本の「反撃能力」保有賛成6割強(2022年11月15日)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2022/web-research-44.html
・核共有について議論することに賛成する人は7割に達した(2022年5月12日)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2022/web-research-32.html
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