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物流、建設、医師の2024年問題「内容理解している」42%

2024年問題とは、自動車運転業務、建設事業、医師等について「働き方改革関連法」で例外的に認められている時間外労働の上限規制の猶予が終了する2024年4月以降に発生する諸問題のことをいいます。これらの問題がどの程度認識されいるのか、全国の18歳以上の男女1,000人を対象にオンライン調査を実施しました。調査日は8月30日。Yahoo!クラウドソーシングを利用しています。

物流、建設、医師の2024年問題「内容理解している」42%
物流や建設の人手不足「労働環境改善を」最多、医師不足や休診で支障許容できる59%

[KSI Web調査] 2024年問題に関する意識調査
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調査結果サマリ

「2024年問題」という言葉を聞いたことがあり、ある程度を含め内容を理解できている人は42%。聞いたことがない人は17%だった。

■物流、バス、タクシーの2024年問題
トラックドライバーらの時間外労働の上限規制が始まると物流供給網に影響が出るとの試算について、かなり、あるいはやや問題だと認識している人は計87%。ドライバー不足で宅配便の配送が遅くなることなどを許容できるかどうかは、程度や場合などによると考える人が69%を占めた。ドライバーの人手不足の緩和策を複数回答で聞くと、労働環境改善が66%と最多、給与を上げるなど処遇改善が61%で続いた。

インターネット通販などの「送料無料」表示は消費者が物流コストを意識できなくなる恐れがあるため見直す必要があると思う人は48%、必要はないと思う人は32%だった。通信販売の利用頻度は「月に数回」が51%を占めた。

バスの運行本数やタクシーの稼働が人手不足や高齢化で少なくなったとされる状況の打破のためにできると思うことを複数回答で聞くと「自動運転のバスやタクシーの実証実験促進」が42%でトップだった。

■医師の2024年問題
医師の時間外労働への上限設定は、医師不足や休診で支障が出たとしても、ある程度を含めて受け入れることができる人は59%を占めた。医師の不足や偏在の解消のためにできることを複数回答で聞くと「医療現場のデジタル化による業務負担軽減や効率化」が41%で1位となった。 

■建設業の2024年問題
人手不足解消と働き方改革が実現する方策を複数回答で聞くと「長時間労働の是正など労働環境の改善」50%が最多だった。下請けや孫請けは利益が少なくなるとの指摘に関し「政府が元請け業者への規制、監視を強めるべきだと思う」が64%に上った。2025年大阪・関西万博の運営団体が海外パビリオン建設の工事に従事する作業員を残業規制の対象外とするよう政府に求めていることに、反対の人が45%を占め、賛成21%、わからない33%だった。

■その他
人口減少などにより人手不足が深刻化して日本の経済が縮小するという指摘に対し、適切な対策を複数回答で聞くと、短時間就労や仕事の細分化で就労しやすい環境や制度づくりを求めた人が49%でトップとなり、高齢者雇用推進の45%が続いた。

  • 「2024年問題」という言葉を聞いたことがあり、かつ内容を「理解できている」「ある程度理解できている」人は計42.1%。「聞いたことがない」人は17.9%だった。ある程度を含め内容を理解できているとした人を男女別に見ると、男性は4割台後半、女性は2割台半ばだった。(Q6) 
  • 物流の2024年問題で、トラックドライバーらの時間外労働の上限規制のためサプライチェーン(物流の供給網)に影響が出る試算に関し、「かなり問題だ」あるいは「やや問題だ」と認識している人は計87.8%に達した。かなり問題だと認識している人を年代別に見ると、30代以上の各層はいずれも4割台以上で、10代と20代は3割台以下にとどまった。職業別では、会社役員・団体役員と教職員でいずれも5割台で最多だった。支持政党別では日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組でいずれも5割を超し、最も多い層となった。(Q7)
  • 物流の2024年問題におけるトラックドライバーの人手不足により、宅配便で荷物を運べなくなる、配送が遅くなるとの試算があることに関し、これを「許容できるかできないかは程度や場合などによる」が69.1%を占めた。(Q8)
  • インターネット通販などの送料無料の表示は消費者が物流コストを意識できなくなる恐れがあるため「見直す必要があると思う」48.4%、「見直す必要はないと思う」32.0%だった。「見直す必要があると思う」とした人を職業別に見ると、会社役員・団体役員で8割を超して最多だった。岸田内閣を支持する層では6割台前半だったが、支持しない層では4割台半ばだった。(Q9)
  • トラックドライバーらの稼働時間減少による物流業界の売り上げや利益減少の予想について、輸送費や配送費の値上げを許容できるか聞いたところ「程度や場合などによる」が68.4%を占めた。(Q10)
  • トラックドライバーの人手不足の緩和策を複数回答で聞くと「労働環境の改善」66.2%が最多で「給与を上げるなど処遇の改善」61.0%が続いた。(Q11)
  • 物流の2024年問題に関し、政府がどうかかわるべきかを複数回答で聞くと「非効率な商慣行を見直すための行政の支援や指導の徹底」45.5%がトップで「再配達の削減など消費者の意識改革や行動変容への取り組み」43.7%が2位、「物流業界における多重下請け構造是正の取り組み」 42.2%が3位だった。(Q12)
  • 通信販売の利用頻度は「月に数回」が51.2%を占めた。(Q13)
  • 物流の2024年問題を解決するために消費者の立場からできることを複数回答で聞くと「急ぎの荷物以外は配送日に余裕を持たせて注文する」63.3%が最多で「在宅を心がけるなど再配達にならない工夫をする」61.7%が続いた。(Q14)
  • 人手不足や高齢化でバスやタクシーの乗務員が減り、バスの運行本数の減便やタクシーの稼働が少なくなっている状況を打破するためにできることを複数回答で聞くと「自動運転のバスやタクシーの実証実験の促進」42.2%が最多で「若者や女性の就業を促進するような労働環境の改善」35.3%が続いた。(Q15)
  • 医師の2024年問題では病院勤務医の時間外労働に上限が設けられるが、医師の働き方改革について、ある程度を含め「進めるべきだと思う」と答えた人は82.6%に上った。(Q16)
  • 兵庫県の甲南医療センターでの医師の自殺をきっかけに関心が持たれている医師の自己研さんを「すべて勤務時間に含めるべきだ」「範囲を広げて含めるべきだ」が計67.6%に上った。(Q17)
  • 医師の時間外労働に上限を設けることについて、医師不足や休診などで地域医療に支障が出ても、ある程度を含め「受け入れることができる」が59.6%を占めた。(Q18)
  • 医師不足や地域や診療科による医師の偏在の解消のためにできることを複数回答で聞くと「医療現場のデジタル化による業務負担軽減や効率化」が41.2%で1位となり「ITを活用した遠隔診療提供やオンライン診療」が40.5%で2位だった。(Q19)
  • 建設業の2024年問題では人手不足が深刻化すると予想されており、どうすれば人手不足解消と働き方改革が実現するかを複数回答で聞くと「長時間労働の是正など労働環境の改善」50.0%が最多、「働く人の給与を上げる」が41.6%で続いた。(Q20)
  • 時間外労働規制などによる建設の工期適正化で人材確保がさらに難しくなり、人件費が上がって受注価格が一層上昇するとの指摘があることについて「仕方ないと思う」27.9%がトップで「政府の支援と同時に建設業者側も一定の利益減少を受け入れるべきだ」17.7%が2位だった。4位の「外国人労働者の受け入れ促進をすべきだと思う」とした人を支持政党別に見ると、自由民主党・維新・公明党・共産党が2割台で最多だった。最低は社民党と参政党でいずれもゼロ。(Q21)
  • 建設業界では下請けや孫請けは利益が少なくなり、時間外労働の上限規制の恩恵を得にくいとの指摘があることに「政府が元請け業者への規制、監視を強めるべきだと思う」が64.2%に上った。年代別に見ると、年代が上がるにつれて割合が増えていった。職業別に見ると、会社役員・団体役員で7割台となり最多だった。内閣支持層と不支持層ともに6割台後半で差はほとんどなかった。支持政党別では、共産が唯一の8割台で最多だった。(Q22)
  • 2025年大阪・関西万博の海外パビリオン建設が人手不足や資材高騰で工事契約が停滞しており、万博運営団体はこれらの工事に従事する作業員を残業規制の対象外とするよう政府に求めていることに「反対」が45.2%を占め「賛成」は21.6%、「わからない」が33.2%だった。
    「反対」とした人を職業別に見ると、学生が6割台で最多となり、教職員が5割と続き、最低は会社役員・団体役員の1割台後半だった。年収別では2000万円以上が7割台で、1000万円以上2000万円未満が5割台、それ以下の各層はいずれも4割台以下だった。(Q23)
  • 日本では高齢化や人口減少で人手不足が深刻化し経済が縮小していくとの指摘があり、ふさわしい対策を複数回答で聞くと「短時間での就労、仕事内容の細分化で就労しやすい環境や制度を整えるべきだと思う」49.9%がトップとなり「高齢者の雇用を推進し働きやすい環境を整えるべきだと思う」45.8%が続いた。(Q24)
  • 次期衆院選の小選挙区で投票したい政党の候補者は自由民主党が16.3%(前回7月27日14.8%)、日本維新の会14.1%(12.4%)、立憲民主党4.1%(4.0%)、国民民主党3.5%(3.8%)などとなった。(Q25)
  • 次期衆院選の比例代表で投票したい政党は自民15.2%(前回7月27日13.6%)、維新14.5%(13.9%)、国民4.0%(4.3%)、立憲3.8%(3.7%)などとなった。(Q26)
  • 岸田内閣を「支持する」15.5%(前回7月27日15.4%)、「支持しない」66.7%(67.9%)だった。支持する政党はないとする無党派層では、岸田内閣を支持する人は一桁だったのに対し、支持しない人は7割台に上った。(Q27)
  • 政党支持率は自民17.4%(前回7月27日16.2%)、立憲4.2%(3.6%)、維新12.3%(10.1%)、公明1.4%(1.1%)、国民3.1%(4.2%)、共産1.7%(1.6%)、れいわ2.3%(1.9%)、社民0.2%(0.2%)、政治家女子0.8%(0.9%)、参政0.9%(0.6%)、その他の政党・政治団体0.4%(0.2%)、支持する政党はない51.0%(53.7%)。(Q28)

※今回の調査結果には、性別や年齢別、職業別、年収別、支持政党別などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)もご覧ください。

KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。
調査方法、資料やデータの使用、取材や掲載、放映などのお問い合わせは、本ページの最後をご覧ください。


調査結果のグラフ一覧

Q1からQ5: 18歳以上の回答者1,000人の属性 --- 性別、年齢、地域、職業、年収

Q6 あなたは「2024年問題」という言葉を聞いたことがありますか。「働き方改革関連法」で自動車運転業務、建設事業、医師等について例外的に認められていた時間外労働の上限規制の猶予が終了する2024年4月1日以降に発生する諸問題のことをいいます。
 
 
Q7 「物流の2024年問題」では、トラックドライバーらの人手不足に時間外労働の上限規制が加わり、例えば2024年度には14%、30年度には34%の輸送力が不足し、サプライチェーン(物流の供給網)に影響が出るとの試算があります。あなたは、このことをどの程度問題だと認識していますか。
 
 
Q8 「物流の2024年問題」ではトラックドライバーらの人手不足により、例えば宅配便で荷物が運べなくなる、配送が遅くなるとの試算があります。あなたはこれを許容できますか、できませんか。
 
 
Q9 インターネット通販などの「送料無料」の表示は、消費者が物流コストを意識できなくなる恐れがあるとして政府は見直す方針です。あなたは、運送事業者が適正な運賃を受け取り事業を継続するため、送料無料表示は見直す必要があると思いますか、思いませんか。
 
 
Q10 物流業界では時間外労働の上限規制によるトラックの稼働時間の減少などにより、売上や利益が減ると予想されています。あなたは、物流機能を維持発展させていくため輸送費や配送費の値上げを許容できますか、できませんか。
 
 
Q11 トラックドライバーは全産業と比較して長時間勤務や低賃金、若者や女性が少ないと指摘され人手不足が深刻化しています。あなたは、どうすれば人手不足は緩和されると思いますか。(複数回答可)
 
 
Q12 「物流2024年問題」において、荷主、運送事業者やドライバー、一般消費者の関係が適正化し物流業界が発展していくために政府はどう関わるべきだと思いますか。(複数回答可)
 
 
Q13 あなたは通信販売をどのくらいの頻度で利用していますか。
 
 
Q14 あなたは、消費者の立場から「物流の2024年問題」を解決するために何ができると思いますか。(複数回答可)
 
 
Q15 人手不足や高齢化などでバスやタクシーの乗務員が減り、バスの運行本数が維持できず減便されたり、タクシーの稼働が少なくなっているとの報道もあります。この状況を打開するために何ができると思いますか。(複数回答可)
 
 
Q16 「医師の2024年」問題もあります。厚生労働省の「令和元年 医師の勤務実態調査」によると、休日を含め年間960時間を超えて勤務している病院勤務医は全体の37.8%、上位10%は1824時間を超えていました。2024年(令和6年)4月から医師の時間外労働に上限が設けられ、原則として休日勤務を含め年間960時間になります。あなたは医師の働き方改革を進めるべきだと思いますか。
 
 
Q17 兵庫県神戸市の「甲南医療センター」で医師が過労自殺したことをきっかけに、医師の「自己研さん」のあり方に関心が持たれています。厚生労働省は医師の労働と自己研さんの区別を示していますが、医師の自己研さんは勤務時間には含まれず、線引きが難しく長時間労働につながっているとの指摘もあります。あなたは、医師の自己研さんも勤務時間に含めるべきだと思いますか。
 
 
Q18 医師の労働時間は、正式に勤務する病院のほかに副業や兼業先の病院の労働時間も含まれるため、時間外労働に上限規制が設けられると医師不足や医師不在による休診など、地域医療に支障が出るとの指摘もあります。あなたは、この様な支障が出ても受け入れることができますか。
 
 
Q19 少子高齢化による医師不足、地域や診療科による医師の偏在を解消するために何ができると思いますか。(複数回答可)
 
 
Q20 「建設業の2024年問題」では、就業者の高齢化が進み若者の離職率も高く人手不足が問題とされ、2024年以降さらに問題が深刻化すると予想されます。どうすれば人手不足は解消され、働き方改革は実現すると思いますか。(複数回答可)
 
 
Q21 時間外労働の上限規制などによる建設の工期適正化で人材確保がさらに難しくなり、建設業で人件費などが上がり、受注価格が一層上昇するとの指摘があります。あなたはどう思いますか。
 
 
Q22 建設業界では下請けや孫請けの業者は利益が少なくなり、経営や従業員の給与に影響が出るなど時間外労働の上限規制の恩恵を得にくいという指摘があります。あなたはどう思いますか。
 
 
Q23 2025年大阪・関西万博の海外パビリオン建設は、人手不足や資材高騰により必要な手続きや工事契約が停滞しています。2024年問題を踏まえ、万博を運営する日本国際博覧会協会は工事に従事する作業員を残業規制の対象外とするよう政府に求めています。あなたはこの考えに賛成ですか、反対ですか。
 
 
Q24 日本では今後、高齢化や労働人口減少に伴い多くの業種で人手不足が深刻化し、経済自体が縮小していくとの指摘があり、2024年問題にもこのような背景があります。あなたは、どのような対策がふさわしいと思いますか。(複数回答可)
 
 
Q25 次期衆議院選挙の小選挙区で、あなたはどの政党の候補者に投票したいですか。
 
 
ご参考: 「次期衆議院選挙の小選挙区で、あなたはどの政党の候補者に投票したいですか」の推移(%)
 
 
Q26 次期衆議院選挙の比例代表で、あなたが投票したい政党はどこですか。
 
 
ご参考: 「次期衆議院選挙の比例代表で、あなたが投票したい政党はどこですか」の推移(%)
 
 
Q27 あなたは岸田内閣を支持しますか、支持しませんか。
 
 
Q28 あなたの支持政党を教えてください。
 
 


クロス集計を含む調査結果の詳細(PDFファイル)はこちら。

調査期間: 2023年8月30日
調査対象や人数: 全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法: インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用しています。
属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。

お問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp  Tel: 03 6824 1715

資料やデータの使用、掲載について
リンクフリーです。必ず下記の出典を明記してください。
[KSI Web調査] 2024年問題「内容理解している」42%(紀尾井町戦略研究所)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2023/web-research-56.html

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