自営農業を営む基幹的農業従事者の人数は2015年から2022年までの7年間で約3割減少し、高齢化も進んでいます。ロシアによるウクライナ侵攻や気候変動などの問題を背景に、食料の安定供給や食料安全保障の強化が課題になっています。今回は日本の農業に関する意識調査を全国の18歳以上の男女1,000人にオンラインで実施しました。調査日は10月13日で、Yahoo!クラウドソーシングを利用しています。
政府目標・食料自給率45%「達成は無理」72%
コメの生産・輸出増「検討を」49%、食料安保で国の権限強化に賛成60%
[KSI Web調査] 日本の農業と食の未来に関する意識調査
調査結果サマリ | 調査結果のグラフ一覧 | クロス集計を含む調査結果の詳細
農地面積や就農人口の減少、食料自給率低下などの傾向が続く日本の農業の現状を問題だと思う人は58%、高齢化が進んでいることを問題だと思う人は66%。2022年度に38%だったカロリーベースの食料自給率を2030年度までに45%にする政府目標を達成できないと思う人が72%に達した。
政府による多額の補助金が支えているとの指摘がある日本の農業に関し「食料自給は重要だが補助金以外の方法も検討すべき」が59%に上った。株式会社などの法人による農地所有の解禁範囲は慎重に拡大すべきだと思う人が54%、拡大すべきだと思う人は26%だった。
食料危機時に穀物などに生産転換指示ができるなど、食料・農業・農村基本法を改正して食料安全保障を巡る国の権限強化を盛り込むことに、どちらかといえばを含めると賛成が60%。食料安保などの観点から「コメを積極的に増産して輸出を増やすべきだと思う」23%、「コメの増産や輸出増は検討すべきだと思う」49%などとなった。
増える耕作放棄地を再び農地として活用すべきだと思う人は55%。国内で小麦や大豆の自給率が低いことについて「自給率を上げることは重要だが政府の多額の補助は再考すべきだ」が56%を占めた。
農業従事者を増やすためにできることを複数回答で聞くと「農業に関わる人の所得が増えるような施策」61%がトップとなり「女性や若者が就農しやすい環境の整備」52%が続いた。人口減少により労働人口が減る中で優先的に従事者を増やすべき産業を複数回答で聞くと、1位は農業75%で医療・福祉45%、漁業40%と続いた。
次期衆院選の比例代表で投票したい政党は自由民主党16%(前回9月21日15%)、日本維新の会11%(11%)、立憲民主党4%(4%)、国民民主党4%(4%)などとなった。岸田内閣を「支持する」16%(17%)、「支持しない」67%(65%)だった。
※今回の調査結果には、性別や年齢別、職業別、年収別、支持政党別などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)もご覧ください。
KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。
調査方法、資料やデータの使用、取材や掲載、放映などのお問い合わせは、本ページの最後をご覧ください。
Q1からQ5: 18歳以上の回答者1,000人の属性 --- 性別、年齢、地域、職業、年収
調査期間: 2023年10月13日
調査対象や人数: 全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法: インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用しています。
属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。お問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp Tel: 03 6824 1715資料やデータの使用、掲載について
リンクフリーです。必ず下記の出典を明記してください。
[KSI Web調査] 政府目標・食料自給率45%「達成は無理」72%(紀尾井町戦略研究所)
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