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国葬・岸田首相の説明不十分5割超す

9月27日に日本武道館で行われる安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)が、国内の世論を二分する論争になっています。今回は安倍氏の国葬に関する意識調査を行いました。

国葬・岸田首相の説明不十分5割超す
- 国会説明を聞き「賛成に変わった」3.3%「反対に変わった」8.6%、年代高いほど反対傾向 -

[KSI Web調査] 安倍元首相の国葬(国葬儀)に関する意識調査
調査結果サマリ | 調査結果のグラフ一覧 | クロス集計を含む調査結果の詳細

調査結果サマリ

安倍晋三元首相の国葬に62%が反対し、賛成は23%でした。岸田首相が国葬を決断した理由をどれも支持できない人が過半数。年代が高いほど国葬反対が多い傾向がうかがえました。9月8日の岸田首相による国会での安倍氏国葬に関する説明を聞き、国葬への自身の考えが「賛成に変わった」は3%だったのに対し「反対に変わった」は8%。首相説明を不十分と思う人は「どちらかといえば」を含め53%を占めました。調査時点で岸田首相による国会説明の内容を知っていた人は70%で、その手段はテレビが最多でした。

国葬の総費用見込み約16億円について「規模や金額を抑えるべき」65%、見込み額公表は「すみやかに」62%。国葬に新たな法律や規定が必要と思う人は計70%でした。国民に弔意表明を強制しない政府方針に70%が賛成。岸田内閣不支持は60%に達しました。

  • 政府が、安倍晋三元首相が銃撃で亡くなってから2週間後に国葬実施を閣議決定したことについて、もっと「議論を経てからすべきだった」が37.4%を占め「迅速で適切だった」は12.9%。最多は「そもそも国葬を行うべきではない」44.5%だった。(Q6)
  • 国葬費用総額の見込み約16.6億円について「国内事情を考慮して規模や金額を抑えるべきだ」が65.5%で「海外要人も多数来日することなどを考えると妥当だ」の21.9%を大きく上回った。(Q7)
  • 政府が費用総額の見込みを事前に公表したことについて「閣議決定後にすみやかに公表すべきだった」が62.3%に達し、「国葬前に公表したので問題ない」は16.7%だった。(Q8)
  • 岸田首相が安倍氏の国葬を決断した理由のうち支持できるものを複数回答で尋ねると「いずれも支持できない」54.5%がトップ。「さまざまな分野で歴史的業績」24.1%、「憲政史上最長の在任」23.3%と続いた。(Q9)
  • 国葬の法的根拠について「法律でなくとも政令などで明確な規定を新たにつくるべきだ」43.5%が最多。「新たに法律をつくるべきだ」26.9%が続き「新たな法令は必要なく今後も閣議決定などでよい」は19.7%だった。(Q10)
  • 国葬ではなく内閣と自民党による合同葬でいいという意見があることなどについて「合同葬がふさわしい」30.7%が最多。次いで「政府が関与する葬儀を行う必要はない」30.6%だった。(Q11)
  • 政府が安倍氏の国葬について「国民に弔意表明を強制しない」としていることに「賛成」が70.5%を占めた。(Q12)
  • 政府が国葬の日に府省庁に弔旗掲揚と黙とうを求めたことに「反対」38.4%、賛成37.4%と拮抗した。(Q13)
  • 岸田首相が国会の閉会中審査で安倍氏の国葬に関して説明したことを「必要だった」が73.7%に達した。年代別に見ると、30代以下はいずれも6割台以下で、40、50代はともに7割台。60代と70代以上は8割を超えた。(Q14)
  • 岸田首相が閉会中審査で説明した内容をテレビ中継やニュースなどで「すでに見たり聞いたりした」が70.6%に上った。(Q15)
  • 岸田首相が閉会中審査で説明した安倍氏の国葬の内容について何を通じて知ったかを複数回答で聞くと「テレビ」69.8%が首位。「インターネットのポータルサイトやニュースサイト」37.2%、「新聞」17.9%と続いた。テレビと新聞は全般的に年代が上がるほど増える傾向があった。(Q16)
  • 岸田首相による閉会中審査での安倍氏の国葬についての説明に「どちらかといえば」を含め「不十分だったと思う」が53.2%。「十分に」「ある程度」説明したと思う人は計27.7%だった。(Q17)
  • 岸田首相による閉会中審査での説明を聞いたことで、安倍氏の国葬に関する考え方が「賛成から反対に変わった」「どちらでもなかったから反対に変わった」が計8.6%。一方「反対から賛成に変わった」「どちらでもなかったから賛成に変わった」は計3.3%だった。(Q18)
  • 安倍氏の国葬に対する賛否は「反対」62.3%で「賛成」23.0%を大きく上回った。「反対」とした人を年代別に見ると、30代以下の各層は5割台以下。40から60代はいずれも6割台で70代以上は7割だった。 (Q19)
  • 岸田内閣を「支持しない」が前回9月2日より3.0ポイント増の60.4%に達し「支持する」は同0.4ポイント減の20.6%だった。(Q20)

その他のサマリ

  • 安倍氏が亡くなってから2週間での閣議決定について支持政党別に見ると、もっと「議論を経てからすべきだった」が、与党である自民党で5割、公明党で6割をそれぞれ超えた。(Q6)
  • 安倍氏の国葬について「縮小して金額も抑えるべきだ」とした人を支持政党別に見ると、共産党・れいわ新選組・社民党で8割を超し、立憲民主党・日本維新の会・公明・NHK党・支持政党はないとする無党派層で7割台。国民民主党5割台、自民4割台、参政党3割台だった。(Q7)
  • 政府が安倍氏の国葬当日に「府省庁は弔旗掲揚と黙とうをする」と決めたことに「反対」とした人を年代別に見ると、40代以下はすべて2~3割台で、50代以上はいずれも4割を超えた。支持政党別では、自民1割台、参政2割台、公明3割台だった一方、共産・れいわは7割台に達した。(Q13)
  • 政党支持率は自由民主党20.5%(前回9月2日20.2%)、立憲民主党3.5%(4.9%)、日本維新の会10.7%(10.0%)、公明党1.9%(1.5%)、国民民主党3.2%(2.6%)、日本共産党2.3%(2.3%)、れいわ新選組2.7%(2.8%)、社民党0.5%(0.2%)、NHK党1.4%(2.1%)、参政党0.8%(0.8%)、その他の政党・政治団体0.5%(0.4%)、支持する政党はない48.6%(48.1%)、わからない3.4%(4.1%)だった。(Q21)


※今回の調査結果には、性別や年齢別、年収、内閣支持度別、支持政党別などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)をご覧ください。

※国葬後の調査結果(9月29日)はこちら
国葬実施「良かった」24%「良くなかった」48% - 政府検証に期待せず6割強、外交メリットあった41% なかった49% -
https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-42.html

KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を1000人に行っています。
安倍元首相の国葬(国葬儀)について、18歳以上の男女1,000人に聞きました
(2022年9月10日現在「Yahoo!クラウドソーシング」調べ)
※本資料やデータの使用、掲載についてはページ下部をご覧ください

 

調査結果グラフ(全体)

  Q1からQ5: 回答者の属性--性別、年齢、地域、職業、年収

Q6 7月8日の参院選の応援演説中に銃撃され亡くなった安倍元首相について、岸田首相は7月14日の記者会見で国葬(国葬儀)を行うと発表し、7月22日に閣議決定しました。安倍氏が亡くなってから2週間で国葬実施を決定したことについて、あなたはどう思いますか。
Q7 政府は9月27日に行われる安倍元首相の国葬について、費用の総額は約16.6億円になるとの見込みを公表しました。内訳は会場設営などの式典費用に約2.5億円、警備費に約8億円、外国要人の接遇費に約6億円などとなっています。2019年10月の「即位礼正殿の儀」では警備費が約38億円、接遇費は約35億円でした。この金額について、あなたの考えに近いものはどれですか。
Q8 政府は当初、安倍元首相の国葬の総額費用について、来日する要人の数や警戒警備にあたる警察部隊の規模感などが不確定なことから、国葬後に確定した金額を公表する意向でした。事前に概算を公表したことについて、あなたはどう思いますか。

Q9 岸田首相が安倍元首相の国葬を決断した理由として示されている理由のうち支持できるものを回答ください(複数回答可)

 

Q10 戦前の国葬の法的根拠だった「国葬令」は戦後に廃止されたため、今回の国葬は国の儀式を規定した「内閣府設置法」や閣議決定を法的根拠としています。対象者を選ぶ基準など法的根拠があいまいとの指摘もあります。国葬について新たに法令で定めることについて、あなたはどう考えますか。

 

Q11 2020年に中曽根元首相が亡くなった際は、内閣と自民党が費用を出し合う合同葬を行いました。安倍元首相についても合同葬とした方がよかったという意見もあります。あなたは安倍氏の国葬についてどう考えますか。

 

Q12 政府が安倍元首相の国葬について「国民には弔意の表明を強制しない」としていることについて、あなたは賛成ですか、反対ですか。

 

Q13 政府が安倍元首相の国葬の当日「国の府省庁は弔旗掲揚と黙とうを行う」と決めたことについて、あなたは賛成ですか、反対ですか。

 

Q14 岸田首相は8日、国会の閉会中審査で安倍元首相の国葬について説明しました。首相が説明したことについてあなたはどう思いますか。

 

Q15 閉会中審査で岸田首相が安倍元首相の国葬について説明した内容を、あなたはテレビ中継やニュース記事などで見聞きしましたか。

 

Q16 閉会中審査で岸田首相が説明した安倍元首相の国葬の内容を、あなたはどこで(何で)知りましたか(複数回答可)

 

Q17 閉会中審査で行われた岸田首相の安倍元首相の国葬についての説明について、あなたはどう思いましたか。

 

Q18 閉会中審査で岸田首相から安倍元首相の国葬についての説明がなされたことで、安倍氏の国葬に対するあなたの考え方は変わりましたか。

 

Q19 戦後の首相経験者の国葬は吉田茂氏以来となります。あなたは安倍元首相の国葬に賛成ですか、反対ですか。

 

Q20 あなたは岸田内閣を支持しますか。(%)

 

Q21 あなたの支持政党を教えてください。(%)

 


クロス集計を含む調査結果の詳細(PDFファイル)はこちら


調査期間   2022年9月10日
調査対象や人数   全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法   インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用し、属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。

本リリースに関するお問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp  Tel: 050 3707 4661

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[KSI Web調査]安倍元首相の国葬(国葬儀)に関する意識調査(紀尾井町戦略研究所)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-41.html

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