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望む物価高対策トップ3は消費税減税64%、給付金51%、電気ガス料金減43%

政府は11月に経済対策を閣議決定し、柱の一つに「生活の安全保障・物価高への対応」を掲げました。対策には、ガソリン・軽油の旧暫定税率の廃止や、物価に連動した基礎控除の引き上げによる所得税減税の実施などが盛り込まれています。足元の物価高への対応としてどのような施策が求められているかを把握するため、11月26日、全国の18歳以上の1,000人を対象にオンライン調査を実施しました。

調査結果サマリ

望む物価高対策トップ3は消費税減税64%、給付金51%、電気ガス料金減43%

- 政府のこれまでの物価高対策「効果なし」8割、コメ用の物価対策は必要5割・不要3割 -

いわゆる物価高について、実感を1年前と比べると「より高いと感じる」が90.3%に達し、「変わらない」6.7%、「より低いと感じる」1.7%だった。

物価高でストレス9割
普段の生活や家計への不安、節約疲れなど物価高によるストレスを「非常に感じる」「ある程度感じる」が計91.2%(前回25年3月20日調査95.2%)に達し、「全く感じない」「あまり感じない」が計7.0%(4.0%)だった。

物価高によるストレスを「非常に感じる」とした人を地域別に見ると、東北が6割台で最も多く、次いで北海道と沖縄の5割台だった。一方、九州は3割台で最も低かった。

職業別では、農林漁業従事者、契約社員・パート・アルバイト等、自営業・専門職(士業等)・自由業、学生が5割以上となった半面、会社役員・団体役員、公務員(団体職員や教職員を除く)、教職員が2割台で最も低かった。年収別では、収入がない人を含め300万円未満の層は軒並み5割台となった一方、2,000万円以上の層は2割台で最低だった。景気が良いと感じる人では4割だったが、悪いと感じる人は5割台半ばとなった。支持政党別では、チームみらいが7割で最多となり、国民民主党が6割で続いた。最低は公明党の2割台だった。

求める物価高対策トップ3は消費税減税、給付金、電気ガス料金軽減
政府に求める物価高対策として優先度が高いもの(複数回答)は「消費税減税」が64.3%(前回25年3月20日調査63.0%)で最も多く、次いで「給付金支給」51.1%(同調査では同一の選択肢なし)、「公共料金(電気・ガス・水道)の負担軽減」43.9%(53.5%)となった。前回調査では、「コメの価格高騰の抑制」が47.6%で第3位だったが、今回は15.7ポイント減の31.9%で第7位だった。


「消費税減税」を挙げた人を支持政党別に見ると、公明、参政、みらいが8割台で首位となり、自民党、立憲民主党はいずれも5割台で最も少なかった。

具体的に物価上昇を感じる場面(複数回答)の上位3位は「食料品の購入」が93.8%(前回25年3月20日調査93.8%)、「日用品の購入」67.9%(62.9%)、「電気、ガスなどの光熱費の支払い」50.4%(64.2%)となった。

自身の物価高対策の上位はポイント活用、食費減、安売り店利用
自身が物価高対策として行っていること(複数回答)の上位3位は「ポイントやクーポンの活用」76.1%(前回25年3月20日調査73.0%)、「食費の削減」45.3%(44.7%)、「ディスカウントストアやフリマなど安売りのお店で買う」43.9%(43.6%)の順となった。


政府は、2029年度までに年1%程度の実質賃金上昇(物価上昇を約1%上回る賃上げ)を定着させるとしている。一方、厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査によれば25年9月の実質賃金は前年同月比1.4%減で、9か月連続のマイナス。政府がこの目標を「実現できるとは思わない」が69.5%に上り、「実現できると思う」は8.7%だった。「わからない」が21.8%あった。

「実現できるとは思わない」とした人を地域別に見ると、東北、近畿、四国が7割台で最多となった。職業別では、教職員、農林漁業従事者、学生で8割を超した。景気が良いと感じる人では3割台だった一方、悪いと感じる人では7割台に上った。支持政党別では、立憲、参政、共産党、れいわ新選組、みらいが8割台でトップだった。

農林水産省によると、全国約1,000店舗のスーパーでのコメの平均販売価格は、25年11月10日から11月16日までの1週間で5kg当たり4,260円(消費税込)だった。この販売価格を「高いと思う」が87.0%に達し、「適正だと思う」は6.5%、「安いと思う」は0.8%だった。「わからない」は5.7%。「高いと思う」とした人は、景気が良いと感じる人では7割台半ばだった一方、悪いと感じる人では9割台前半となった。

コメ用の物価対策は必要55%、不要32%
物価高対策として、政府は、コメなどの購入に利用できる「おこめ券」の配布を支援する方針だが、おこめ券の配布に限らず、コメに特化した物価高対策は「必要だと思う」が55.2%に上り、「必要だとは思わない」は32.8%だった。「わからない」が12.0%。


物価上昇が今後どれくらいの期間続くかを聞くと「1年以上5年未満」が44.4%で最も多く、続いて「5年以上」41.8%、「1年未満」2.5%、「上がり続ける状態は既に終わっている」0.3%だった。「わからない」が11.0%あった。

政府がこれまで実施してきた物価高対策は「効果があったとは思わない」が81.9%に達し、「効果があったと思う」は5.5%だった。「わからない」は12.6%。「効果があったとは思わない」と答えた人を年代別に見ると、40代以下の各層は7割台以下だったが、50代以上の層は全て8割台となった。支持政党別では、立憲、参政、共産、れいわ、みらいが9割を超す一方、自民は6割台で最低だった。

所得税の「年収の壁」の制度が見直され、25年から基礎控除と給与所得控除を合わせ160万円となった。基礎控除は年収200万円以下では一律95万円で、200万円を超すと、年収が高くなるほど小さくなる。給与所得控除は年収階層が上がるほど増える。具体的方法は問わないものとして、年収の壁を160万円から「引き上げる必要があると思う」が52.3%を占め、「引き上げる必要はないと思う」は18.1%だった。「わからない」が29.6%あった。

日銀金利を現行から「上げよ」35%「維持」26%「下げよ」5%
日本銀行は25年10月30日の金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を0.5%程度に据え置くと決めた。政策金利を0.5%程度に引き上げたのは今年1月で、以来、据え置きの判断が6会合続いているが、日銀は政策金利の誘導目標を「引き上げるべきだと思う」35.9%、「据え置きでよいと思う」26.0%、「引き下げるべきだと思う」5.1%となった。「わからない」が33.0%に上った。


「引き上げるべきだと思う」とした人を年収別に見ると、2,000万円以上では5割台となり、800万円以上2,000円未満の各層は4割台、それより下の全ての層は3割台以下となった。

高市内閣支持率47%
高市内閣を「支持する」47.7%(前回25年10月23日調査51.6%)、「支持しない」30.5%(22.9%)だった。高市内閣を支持するとした人を支持政党別に見ると、自民では9割台に達した一方、同じ与党である日本維新の会では5割台半ばだった。

政党支持率は自民党18.2%(前回25年10月23日調査18.6%)、立憲民主党5.4%(5.3%)、日本維新の会4.6%(4.6%)、れいわ新選組3.7%(3.2%)、国民民主党3.5%(4.8%)、参政党3.5%(3.0%)、公明党1.6%(1.2%)、日本保守党1.3%(1.7%)、共産党1.3%(1.5%)、チームみらい1.0%(1.0%)、社民党0.0%(0.5%)、その他の政党・政治団体0.7%(0.8%)、支持する政党はない51.9%(51.0%)。

回答者1,000人の属性、各設問のグラフや解説などは、2ページ目以降に掲載しています。
クロス集計が入った調査結果資料はこちらのPDFファイルからご覧ください。

KSIオンライン調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都港区、代表取締役:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたオンライン調査を、全国の18歳以上の1,000人に行っています。
調査資料やデータの利用、取材や放映などのお問い合わせ、新規調査案件のご相談は、本ページの最後をご覧ください。

 

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