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賃上げ収入増は大手・高年収に多く、中小や低年収は低調

今年の春闘は、大手企業で高水準の賃上げ回答が相次いでいます。この流れが中小企業などにも広がるのか、賃金が上がれば物価が上がり、物価が上がれば賃金も上がる日本経済の「物価と賃金の好循環」につながっていくのかが焦点になっています。賃上げと収入に関する意識調査を、3月6日に全国の18歳以上の男女1,000人にオンラインで実施しました。

賃上げ収入増は大手・高年収に多く、中小や低年収は低調
- 5年後の収入予測「変わらず」32%「減るかゼロに」32%「増える」15% -

[KSI Web調査] 賃上げや収入に関する意識調査
調査結果サマリ | 調査結果のグラフ一覧 | クロス集計を含む調査結果の詳細

調査結果サマリ

2023年の世帯年収(1人暮らしの人は個人年収)は、22年と変わらないか減った人が66.8%に上った。会社の規模別では、全体的に従業員数が多いほど年収が増える傾向があったのに対し、変わらないか減った人は従業員が300人未満の各層で相対的に多い形となった。年収別では、全体的に年収が上がるにつれ増える傾向があり、年収1,000万円以上の各層では4割台となった。変わらないか減った人は年収500万円未満の各層で7割を超し、相対的に割合が高かった。

23年に月給などの給与に賃上げがあった人は31.9%だったのに対し、賃上げがなかったか賃金が減った人は38.2%だった。業種別で見ると、賃上げがあった人は金融・保険業で5割を超えてトップ、全体的に会社の規模が大きくなるほど賃上げがあった人は増える傾向があり、従業員1,000人以上では5割台半ばに達した。23年の賞与や手当など給与以外の収入が変わらないか減った人は46.7%を占め、増えた人は14.9%にとどまった。

24年に月給などの給与に賃上げがあったか今後ある予定の人は18.5%だったのに対し、あるかどうかわからない人が30.0%、賃上げはなかったし今後もない、もしくは賃金が減ったか減る予定の人は29.1%となった。

23年に賃上げや収入増があった人について具体的な影響を複数回答で聞くと、「特に影響はなかった」19.3%がトップとなり「賃上げや収入増はあったが家計は引き続き苦しい」13.2%が続いた。現在の収入への不満を聞くと「インフレや物価上昇に対応できない」39.9%が最多となり、「生活や家族を養うには足りない」26.3%が続いた。

5年後の収入が現在と変わらないと思う人は32.4%、減るかなくなると思う人は32.5%だったのに対し、増えると思う人は15.1%にとどまった。

24年から新NISAは始まったが、金融資産に現在投資していない人は54.8%を占めた。日本の23年国内総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界3位から4位になったことについて「十分に経済成長できなかったから当然だ」31.1%、「非常に残念だ」23.9%、「やむを得ない」22.6%と評価は分かれた。

岸田内閣を「支持する」10.6%(前回2月14日11.8%)、「支持しない」73.2%(74.9%)。内閣支持率は調査開始以来、昨年12月13日と並んで同率で最低となった。

  • 2023年の世帯年収(1人暮らしの人は個人年収)は22年と「変わらない、減った」人が66.8%に上った。「変わらない、減った」人を年代別に見ると、全般的に年代が上がるほど増える傾向があった。地域別では、関東、中部、九州は6割台で、他はすべて7割以上だった。職業別では自営業・専門職(士業等)・自由業で8割を超え、公務員、契約社員・パート・アルバイト等が7割台で続いた。「増えた」は会社役員・団体役員が5割でトップだった。
    業種別では、「変わらない、減った」が観光・宿泊業で10割、次いで農林水産業、電気・ガス・水道業、運輸業、卸売・小売業、飲食業、教育・学習支援業、医療・福祉が7割台だった。「増えた」は不動産業が5割で最多だった。会社の規模別では、「増えた」が全体的に見て従業員数が多いほど増える傾向があった。「変わらない、減った」は逆に、従業員が300人未満の各層で相対的に多い傾向が見られた。
    年収別では、「増えた」は全体的に年収が上がるにつれ増える傾向が見られ、年収1,000万円以上の各層で4割台となった。逆に「変わらない、減った」は年収500万円未満の各層で7割を超し、相対的に割合が高かった。(Q8)
  • 23年に月給などの給与に「賃上げがあった」人は31.9%だったのに対し「賃上げがなかった、もしくは賃金が減った」人は38.2%だった。「賃上げがあった」と答えた人を職業別に見ると、公務員(団体職員や教職員を除く)と医療・福祉関係の職員等が5割台でトップ。「賃上げがなかった、もしくは賃金が減った」は契約社員・パート・アルバイト等で5割を超え最多となった。
    業種別では「賃上げがあった」は金融・保険業が5割を超えトップ、「賃上げがなかった、もしくは賃金が減った」は観光・宿泊業の6割台が最多だった。会社の規模別では、「賃上げがあった」人は全体的に規模が大きくなるほど増える傾向があり、従業員1,000人以上では5割台半ばに達した。年収別では「賃上げがあった」が500万円以上2,000万円未満の各層で4割から5割台で、相対的に高かった。(Q9)
  • 月給などの給与が24年に「賃上げがあった、もしくはある予定」は18.5%だったのに対し「わからない」30.0%、「賃上げはなかったし今後もない、もしくは賃金が減ったか減る予定」29.1%となった。「賃上げがあった、もしくはある予定」とした人を職業別に見ると、会社役員・団体役員、医療・福祉関係の職員等が最多で3割を超した。「賃上げがなかったし今後もない、もしくは賃金が減ったか減る予定」は、教職員が4割を超しトップだった。
    業種別では、「賃上げがあった、もしくはある予定」は金融・保険業が4割台後半でトップ、次いで観光・宿泊業が3割台で続いた。「賃上げはなかったし今後もない、もしくは賃金が減る予定」は観光・宿泊業が6割台で最多となり、5割台の電気・ガス・水道業、飲食業が続いた。会社の規模別では、「賃上げがあった、もしくはある予定」は全般的に従業員数が多いほど増える傾向があり、300人以上の各層では3割を超した。「賃上げはなかったし今後もない、もしくは賃金が減ったか減る予定」は10人以上300人未満の各層が最多で4割台だった。
    年収別では、「賃上げがあった、もしくはある予定」は年収が上がるほど増える傾向があり800万円以上の各層では3割を超した。逆に「賃上げはなかったし今後もない、もしくは賃金が減ったか減る予定」は収入800万円未満の各層で3割台となり、相対的に多かった。(Q10)
  • 23年の賞与や手当など給与以外の収入が「変わらない、減った」が46.7%を占め「増えた」は14.9%だった。(Q11)
  • 賃上げや収入増があった人について具体的な影響を複数回答で聞くと、賃上げや収入増がなかった人や収入がない人を除けば「特に影響はなかった」19.3%がトップとなり「賃上げや収入増はあったが家計は引き続き苦しい」13.2%が続いた。(Q12)
  • 現在の収入への不満を聞くと「インフレや物価上昇に対応できない」39.9%が最多となり、「生活や家族を養うには足りない」26.3%、「労働の対価として見合わない」24.0%が続いた。(Q13)
  • 中小企業の賃上げ促進を巡り、政府が価格転嫁に応じるよう大企業に求めるなどしていることについて「あまり効果を上げないと思う」「まったく効果を上げないと思う」は計65.2%に上った。(Q14)
  • 非正規雇用の人の賃金について「正規雇用の人以上か同じくらい上がると思う」人は4.1%にとどまり、「非正規雇用の人より上がり幅は少ないと思う」が最多の41.4%を占めた。非正規雇用の人は「賃金が上がらないと思う」も31.1%あった。(Q15)
  • 賃金が上がれば物価が上がり、物価が上がれば賃金が上がる「物価と賃金の好循環」が「続かないと思う」「あまり続かないと思う」が計61.5%を占めた。(Q16)
  • 5年後の自身の収入について「変わらないと思う」32.4%と、「減る、もしくはなくなると思う」32.5%が拮抗し「増えると思う」は15.1%だった。(Q17)
  • 24年から新NISAが始まり、2月には約34年ぶりに日経平均株価が史上最高値を更新する中、金融資産に「投資していない」人が54.8%を占めた。(Q18)
  • 日本国内の賃金が他の先進諸国より伸び悩んでいるため、若い世代が海外に働き場所を求める現象が起きていることについて「やむを得ない」36.4%が最多で「非常に残念だ」27.0%が続いた。(Q19)
  • 日本の時間あたり労働生産性は22年、先進7か国の中で最下位となり、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも低いことを踏まえ、日本が「ある程度」を含め「労働生産性を上げる必要があると思う」とした人は57.7%を占めた。(Q20)
  • 日本の23年国内総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界3位から転落し4位になったことについて「十分に経済成長できなかったから当然だ」31.1%、「非常に残念だ」23.9%、「やむを得ない」22.6%と評価は分かれた。(Q21)
  • 次期衆院選の小選挙区で投票したい候補者の政党を聞くと、上位は自由民主党13.2%(前回2月14日15.1%)、日本維新の会10.5%(11.3%)、立憲民主党7.0%(5.2%)、れいわ新選組4.9%(1.6%)の順となった。れいわが伸ばし、前回3位だった国民民主党は5位となった。(Q22)
  • 次期衆院選の比例代表で投票したい政党は、自民13.0%(13.7%)、維新11.0%(11.9%)、立憲7.4%(5.0%)、れいわ4.7%(2.2%)の順となった。れいわが伸ばし国民と順位を逆転した。(Q23)
  • 岸田内閣を「支持する」10.6%(11.8%)、「支持しない」73.2%(74.9%)だった。内閣支持率は調査開始以来、昨年12月13日と並んで同率で最低となった。(Q24)
  • 政党支持率は自民15.3%(16.2%)、立憲5.6%(4.1%)、維新9.0%(10.1%)、公明党1.8%(1.1%)、国民3.5%(3.9%)、共産党1.7%(2.1%)、れいわ3.9%(1.6%)、社民党0.3%(0.1%)、みんなでつくる党0.1%(0.1%)、参政党0.5%(0.1%)、教育無償化を実現する会0.1%(0.2%)、その他の政党・政治団体0.5%(0.7%)、支持する政党はない51.5%(55.2%)。(Q25)

※今回の調査結果には、性別や年齢別、職業や業種や会社の規模別、年収別、内閣支持度別、支持政党などのクロス集計もありますので、ご関心のある方は調査結果の詳細(PDFファイル)もご覧ください。

KSI Web調査とは
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都港区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。
調査方法、資料やデータの使用、取材や掲載、放映などのお問い合わせは、本ページの最後をご覧ください。


調査結果のグラフ一覧

Q1からQ7: 回答者の属性 -- 性別、年齢、地域、職業、業種、会社の規模、年収

Q8 あなたの2023年の世帯年収(一人暮らしの方は個人の年収)は2022年と比べて増えましたか。
 
 
Q9  月給などのあなたの給与は、昨年2023年に賃上げがありましたか。
 
 
Q10 月給などのあなたの給与は、今年2024年に賃上げがありましたか、もしくは今年ある予定ですか。
 
 
Q11 あなたの昨年の賞与(ボーナス)や手当など、給与以外の収入は増えましたか。
 
 
Q12 賃上げや収入増が昨年あった人は、どのような影響がありましたか。(複数回答可)
 
 
Q13 あなたは、現在の収入にどのような不満がありますか。(複数回答可)
 
 
Q14 昨年の春闘での賃上げ率は、中小企業は大企業より低くなりました。下請け企業が労務費の上昇分を十分に価格転嫁できないことが背景にあるとされ、政府は適切な価格転嫁に応じるよう大企業に求めるなどしています。あなたは、政府による価格転嫁の促進政策は効果を上げると思いますか、思いませんか。
 
 
Q15 政府は賃上げ政策を重視していますが、非正規雇用の人の賃金は正規雇用の人と比べ、どうなると思いますか。
 
 
Q16 あなたは、 賃金が上がれば物価が上がり、物価が上がれば賃金が上がる「物価と賃金の好循環」は続くと思いますか。
 
 
Q17 あなたは5年後の自分の収入はどうなると思いますか。
 
 
Q18 今年1月から新NISA制度がスタートし、2月には約34年ぶりに東京株式市場で日経平均株価が史上最高値を更新しました。あなたは金融資産に投資していますか。
 
 
Q19 日本経済はバブル崩壊以降の「失われた30年」と呼ばれる長期低迷が続き、他の先進諸国より相対的に賃金が伸び悩んでいます。このため職人などを含め若い世代が働き場所を海外に求める現象が起きています。あなたは、こうした現状をどう考えますか。
 
 
Q20 日本では労働生産性が上がらず労働時間が長いため賃金も低いという指摘があります。日本生産性本部が発表した2022年の日本の時間あたりの労働生産性は、経済協力開発機構(OECD)加盟38か国中30位で、4年連続で順位を落とし比較可能な1970年以降で最低でした。先進7か国(G7)のなかでも最下位となっています。あなたは日本の労働生産性をどう思いますか。
 
 
Q21 日本政府が発表した2023年の国内総生産(GDP)の速報値は名目で591兆円となり、ドイツに抜かれ、米国、中国に次ぐ世界3位から転落し、世界4位になりました。あなたは、このことについて、どう思いますか。
 
 
Q22 次期衆議院選挙の小選挙区で、あなたはどの政党の候補者に投票したいですか。
 
 
ご参考: 「次期衆議院選挙の小選挙区で、あなたはどの政党の候補者に投票したいですか」の推移(%)
 
 
Q23 次期衆議院選挙の比例代表で、あなたが投票したい政党はどこですか。
 
 
ご参考: 「次期衆議院選挙の比例代表で、あなたが投票したい政党はどこですか」の推移(%)
 
 
Q24 あなたは岸田内閣を支持しますか、支持しませんか。
 
 
Q25 あなたの支持政党を教えてください。
 
 


クロス集計を含む調査結果の詳細(PDFファイル)はこちら。

調査期間: 2024年3月6日
調査対象や人数: 全国の18歳以上の男女1,000人
調査方法: インターネット上でのアンケート
注: 本調査は「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用しています。
属性等を指定することなく広く一般的に回答を集めたものです。

お問い合わせ先
紀尾井町戦略研究所 広報担当
Mail: info@ksi-corp.jp  Tel: 03 6824 1715

資料やデータの使用、掲載について
リンクフリーです。必ず下記の出典を明記してください。
[KSI Web調査] 賃上げ収入増は大手・高年収に多く、中小や低年収は低調(紀尾井町戦略研究所)
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2024/web-research-65.html

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